〜世界との違いから見えること〜
世界のフェムケア事情
近年「フェムケア(Femcare)」という言葉が日本でも広がり始めていますが、世界に目を向けるとその普及のスピードや文化的な背景には大きな差があります。
欧米では、女性の健康を守る取り組みが社会全体に浸透しつつあります。例えば生理用品ひとつを取っても、日本ではナプキンやタンポンが主流ですが、海外では「体に優しい選択肢」がどんどん広がっています。
オーガニックコットンを使ったナプキン、繰り返し使える月経カップや月経ディスク、布ナプキンなど、選択肢が非常に多いのです。こうした商品はドラッグストアやスーパーで当たり前に購入できます。さらに、女性の体やライフスタイルに合わせて「どれを選んでもいい」という自由度が尊重されているのが特徴です。
さらに、スコットランドでは2020年に「必要とする全ての人に無料で生理用品を提供する法律」が施行されました。これは世界的にも画期的な試みであり、「生理の貧困(Period Poverty)」という課題に正面から取り組んだ例として注目されています。
このように欧米諸国では、女性が安心して生理や体の変化と向き合えるよう、社会制度・文化・商品開発が一体となって支えているのです。
日本のフェムケア事情
一方、日本ではまだ道半ばというのが現実です。確かに「生理休暇制度」が労働基準法に定められており、法律上は女性が体調に合わせて休める仕組みがあります。ですが、実際には「周囲に迷惑をかけるのではないか」「男性の上司に言い出しにくい」などの理由で、利用率は非常に低いのが現状です。
さらに、生理用品の選択肢も欧米ほど多様化していません。月経カップや月経ディスクを耳にする機会は増えましたが、まだ一部のユーザーに限られています。「生理=隠すもの、我慢するもの」という文化が根強く、フェムケアの必要性が社会全体で共有されるまでには時間がかかっているのです。
しかし、2020年以降は変化の兆しが見えてきました。フェムテック(Femtech:女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する分野)が注目され、国会では「フェムテック振興議員連盟」も発足しました。企業でも「オフィスに生理用品を常備する」「オンライン診療でピルを処方する」などの取り組みが少しずつ広がっています。
日本におけるフェムケアは、まだ「始まったばかりの動き」だと言えるでしょう。
女性の体とホルモンの波
世界と日本の違いを理解するためには、まず女性の体に起こる変化を知ることが欠かせません。
女性の体は、一生を通じてホルモンの影響を強く受けています。特にエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンは、生理周期・妊娠・出産・更年期など、さまざまなライフイベントに深く関わります。
生理のある世代では、1か月の中でホルモンが増えたり減ったりすることで、心と体の状態が変わります。生理前になるとイライラや気分の落ち込み、眠気、頭痛、むくみなどを感じる方も多いのではないでしょうか。これは「PMS(月経前症候群)」と呼ばれる症状で、ホルモンの変動が大きな要因とされています。
また、40代後半〜50代に差し掛かると、女性ホルモンの分泌が急激に減少します。これが「更年期」と呼ばれる時期です。ホットフラッシュ(顔のほてり・大量の汗)、動悸、不眠、イライラ、気分の落ち込み、関節痛など、実に多様な症状が現れます。人によっては日常生活に支障をきたすほど深刻なケースも少なくありません。
このように、女性の体は常に変化し続けるものであり、ホルモンの波に寄り添ったサポートが必要なのです。
フェムケアが果たす役割
ここで改めて、フェムケアがなぜ大切なのかを考えてみましょう。
フェムケアとは、単に生理用品を選ぶことだけではありません。体の仕組みやホルモンの変化を理解し、それに合わせた生活習慣・ケア・環境を整えることを意味します。
たとえば、
- 生理周期に合わせた栄養や運動の調整
- 更年期に向けた体調管理とサポート
- デリケートゾーンのケアによる感染症予防
- 職場や学校で「生理や更年期を話しやすい空気づくり」
これら全てがフェムケアの一部です。
世界と比較したときに、日本がまだ遅れている点は「個人の努力に任せてしまっていること」だと言えます。本来は社会全体で女性を支える仕組みが必要ですが、現状では女性自身が「自分の体を理解して自分で守る」ことが求められています。
日本に必要な変化とは?
では、日本でフェムケアを広げるために必要なことは何でしょうか。
- 教育の充実
学校教育の段階から「生理は恥ずかしいものではない」という意識を広め、男女ともに知識を持てるようにすること。 - 社会制度の見直し
生理休暇の利用をしやすくする工夫や、更年期障害へのサポート制度の拡充が必要です。 - 企業や職場での理解促進
オフィスに生理用品を常備したり、体調に合わせた柔軟な働き方を認める文化を作ること。 - 個人の意識改革
女性自身が自分の体を知り、ケアする習慣を持つことが第一歩です。
こうした取り組みが進むことで、少しずつ日本でも「女性が生きやすい社会」が実現していくでしょう。
まとめ
世界のフェムケア事情と日本の現状を比べると、まだまだ課題は多いと感じるかもしれません。けれども、日本でも確実に変化は始まっています。
女性が「生理や更年期を我慢するのは当たり前」ではなく、「必要なケアを選び、安心して生活できる」社会を作ること。そのためには、一人ひとりが声をあげ、正しい知識を広めることが大切です。
フェムケアは、すべての女性に必要な「自分を大切にするためのケア」。そしてそれは、社会全体が取り組むべきテーマでもあります。
👉 次回は「生理痛や現代女性の負担」についてお伝えします。
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